北奥三国物語 

公式ホームページ <『九戸戦始末記 北斗英雄伝』改め>

早坂昇龍(ノボル)&蒼龍舎                            



五右衛門党の仲間 と 岩手郡の地侍

五右衛門党の7人の仲間

厨川五右衛門(疾風)     ”岩手郡の猟師(やまだち)”

厨川五右衛門
厨川五右衛門

厨川五右衛門宗忠:通称は疾風。
 姫神山の東麓に住んでいたが、日戸内膳の命を受け、葛姫の保護と三戸の偵察を命じられる。
 無類の弓の名手で、剣の達人。
 年齢は33歳前後で、妻子は無し。無骨者で女性とうまく話をすることが出来ない。
 身長はほぼ六尺(180㌢)の長身である。
 身のこなしが迅速なので、通り名が「疾風」となった。
 口数の少ない男であるが、決断力と行動力に秀でており、自然にリーダーとなっていく。
 後に、葛姫(正妻)、お晶の2人を妻として迎える。
※キャラクターデザインは、橋本時浩画(以下同)。

三好平八       疾風の参謀  ”目覚める中年オヤジ”

三好一族の家紋
三好一族の家紋

三好平八
三好平八

三好康長がかつて下賎の女に産ませたという中年の侍(45歳くらい)。
 織田信長、明智光秀、木村吉清の各家に厨番として仕える。
 葛西・大崎で木村家中が狼藉を働くのに嫌気が差し、一揆に乗じて落ち延びた。「武術の腕はないが、料理の腕は確か」であるらしい。
 疾風と行動を共にするうち、自己を回復してゆく。
 身長は5尺7寸。疾風に弓、工藤右馬之助に鉄砲を教わり、短期間で上達する。
 羽柴秀次とは過去に1度会って話をしたことがある。

山ノ上権太夫       ”北奥1の相撲取り”

 身長が5尺4寸前後(163㌢程度)の小柄な相撲取り(ただしもちろん筋骨隆々)。
 8人の兄弟を養うため、陸奥各地に赴き、その地の神社の奉納相撲に出て褒賞金を稼ぐのを生業としている。岩手郡下田の生まれで、26歳。
 至って陽気な性格である。毘沙門党の紅蜘蛛お蓮に、身包み剥がされた後、疾風に拾ってもらったのが縁で一行に加わる。

山ノ上権太夫
山ノ上権太夫

東孫六(岩泉兵部)      ”天下一の槍の達人”

東孫六
東孫六

元は東一族の者で、岩泉に来てから兵部を名乗っていた(実在)。
 一族の重鎮である東一刀斎を疾風が倒したという話を聞き、その腕を確かめようと伊勢屋を訪れる。
 伊勢屋の門前で疾風と剣の試合を行い破れるが、助命される。
 常々、南部家の扱いに不満を持っていたが、九戸戦直前に岩泉一族と決別し、疾風の仲間となる。
 年齢は45歳で、5尺7寸(170㌢程度)の身長。
 がっしりとした体躯を持つ。

天魔覚右衛門 = 知仁太    ”天魔一族の若き乱破”   

天魔覚右衛門(知仁太)
天魔覚右衛門(知仁太)

 天魔覚右衛門としては、いくつか古文書に名前が記されている(実在)。ただし名前のみで、詳細は不明である。
 「知仁太(チニタ)」の通り名は本作に於ける創作。山の者(アイヌ)の言葉で、その意味は「夢」である。
 天魔源左衛門(弟の鳶丸)の息子であるが、伯父の命で疾風の弟子となる。
 5尺6寸くらい(170㌢弱)の背丈で、細身。25歳で、山ノ上権太夫や仙鬼と同じくらいの年恰好なので、3人は仲が良い。

仙鬼                ”仙術の使い手”     

仙鬼
仙鬼

 盛岡市玉山区では、十六世紀末に玉山館に嫁入りした「おれん」の伝説が今に残る。
 おれんは力持ちで、相撲では男に負けたことが無い。行く末を案じた玉山家に離縁されたが、山中に独りで暮らしていたところを、玉山家に頼まれた猟師に撃ち殺された、とされる。

 この地には、おれんの持ち上げた「おれんこ石」や、おれんを祀った「おれんこ堂」が現存している。
 本作では、紅蜘蛛の名である「お蓮」と名が重ならないよう、「お仙」と改名したものである。
 年齢が25歳で、身長は5尺5寸前後(165㌢程度)。
 鞭のようなしなやかな体躯を持つ。

李相虎(イ・サンホ)           ”朝鮮から来た火薬師”

李相虎
李相虎

 天正末期までの北奥では、鉄砲はあまり浸透していなかった。ところが九戸戦の直前では、南部、九戸の双方で鉄砲が取り揃えられ、上方軍による宮野城包囲の際には、鉄砲・大砲への備えが十分になされていたとされる。すなわちそこには、火器の攻撃に耐えられるような城普請を指導できる者の存在があった筈である。
 かなり前から、九戸政実は定期的に上方に人を送っており、上方の情勢を知り得ていたらしいが、おそらくそのような交流の中で、火薬師・鉄砲師の類を迎え入れたのであろう。
 この火薬師については、秀吉に深い恨みを持つ者であり、大陸から渡った者と設定した。
 年齢は32歳で、6尺(180㌢)に近い長身である。日頃は総髪のままでいる。 

岩手郡の地侍とその関係者たち

日戸内膳       

 岩手郡日戸郷の地侍(実在)で、元は疾風の主。50台後半で恰幅が良い。
 本作の中では、内膳は北奥の情勢が不穏であることから、疾風を三戸、九戸に向かわせ、情報収集にあたらせる。その結果、疾風の進言を受け入れ、三戸方に参じることを決断する。
 疾風の妻となる葛姫は、内膳の養女である。

玉山常陸(重光)

 かつて陸奥に名を馳せた玉山大和の弟(実在)。 48歳前後で痩せ型。
 斯波との戦で、大和の他、一族の主だった者が死に、義兄である日戸内膳に従っている。
 九戸戦では三戸方に参じ、その戦功により取り立てられ、後に不来方城下に移る。
 なお、「常陸」という名のみしか伝えられていないため、重光は仮名である。

玉山兵庫(小次郎)

 玉山兵庫秀久は、玉山大和の子である(実在)。
 九戸戦で戦功を得て、重用されるようになり、娘は南部重信の正室となった。

 この物語の中では、冒頭で疾風の弟子となる。17歳、5尺5寸の痩せ型。
 九戸戦では三戸方に加わり、南部信直より「兵庫守」を拝命する。

葛姫 

 山の者(アイヌ)の末裔。
 日戸内膳が熊狩りをした際に、山の者の住居に熊を追い込んでしまったため、家族を殺された。
 この時、内膳は独り残った葛姫を、自らの娘として育てた。
 両目が碧く、人里離れた山館の内倉に隠されてきた。
 山の者の血を引く疾風に出会い、ひと目で恋に落ちる。
 17歳。


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