九戸戦始末記 北斗英雄伝

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早坂昇龍(ノボル)&蒼龍舎                            



物語のあらすじ

其の一 葛姫の章

 天正19年の正月。姫神山の東麓に住む疾風(厨川五右衛門)のもとに、玉山重光とその甥の小次郎が訪ねてくる。彼らの用件は当地の領主・日戸内膳の命により、疾風に内膳の三女・葛姫の守護と東方の見張りを任じるものであった。
 疾風は2人とともに葛姫の住む山館に向かう。山館で会ったのは眼の碧いアイヌの姫であった。
 疾風と小次郎は、内膳の密命に従って、三戸偵察に出発する。

其の二 残雪の章

 山館を出発した疾風と小次郎は、早坂峠を越え、畝村(現在の国境峠付近)に差し掛かる。
 この地は旅人を襲って金品を奪う盗賊一味がいるところで、疾風たちも襲われそうになるが、疾風は盗賊をあっさりと切り捨てる。
 盗賊が橇に載せていた瀕死の女人(葛西衆の一族)に頼まれ、疾風、小次郎はその地で出会った三好平八と共に、葛西の子どもを捜しに向かう。首尾よく男児ひとりを見つけ出したが、気がつくと狼の一群に囲まれてしまっていた。
 疾風一行は、かろうじて狼を撃退する。

其の三 悪鬼の章

 三好平八は、前年の登米寺池城で起こったことを夢に見てうなされる。
 目覚めた平八は、疾風たちに自らの見た羽柴秀吉の姿を語るが、秀吉は手指が六本、黒目が左右二つずつの凶相の持ち主だった。
 一行は畝村を出発し、夕方になり伊保内に到着する。
 ある寺の善根宿に一夜の宿を請うが、この寺は長興寺という名の寺であった。
 疾風一行が門外で剣の稽古をしていると、和尚に「五郎」と呼ばれる男が現れる。
 疾風はこの五郎と弓を競い、自ら負けを認めた。この五郎が誰あろう九戸政実その人で、この寺は九戸家の菩提寺なのであった。

其の四 末摘花の章

 疾風一行は三戸に到着し、情報収集のため、伊勢屋という娼館を訪れる。そこには源氏物語を諳んじる「おへちゃ(末摘花)」という娘がいた。
 おへちゃは、不器量な娘だが、下女の仕事までこなす働き者である。しかし、実は6年前の田舎館城の戦いで死んだ千徳掃部の一族であった。
 翌朝、伊勢屋には岩泉の盗賊が復讐のために押し寄せる。疾風は首領である赤平虎一のほか、主だった者たちを斬った。その後、疾風は盗賊退治の調べのため、三戸城に招致される。しかし、そこで北信愛に捕縛され、東一刀斎という剣士と決闘させられることになる。
 決闘の前夜、北信愛は東一刀斎が必ず勝利するように、疾風を鞭で打たせる。
 疾風は瀕死の重傷を得たが、翌日の試合では、迅速なる技で一刀斎を倒す。北信愛の命で殺されそうになるが、大湯四郎左衛門や北十左衛門の進言で放免される。

其の五 風雲の章

 北信愛の悪巧みで負傷した疾風を橇に載せ、一行は三戸を脱したが、すぐに東一族の追手に追いつかれそうになる。しかし、三戸城中で疾風と東一刀斎との試合を見ていた工藤右馬之助が、道を先回りして待っており、敵を追い払う。
 一行は右馬之助の手引きで、二戸宮野城へ入るが、宮野城では、一戸図書や津村伝右衛門ら、戦国を生き抜いている様々な地方領主を眼にした。
 正月十二日になると三戸南部では年賀式が開かれた。三戸南部は、この式に参列しない「九戸政実らの叛意が明らか」であると決めつけ、直ちに宮野城への攻撃命令が下された。
 十五日に出陣、十七日には城攻めが開始された。宮野城内の守備は手薄だったものの、工藤右馬之助の軍略により、九戸は三戸勢を撃退した。
 疾風一行は、政実が自ら率いる「九戸の黒騎馬隊」を初めて目にし、驚嘆するのであった。

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