九戸戦始末記 北斗英雄伝

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盗賊の赤虎 シリーズ

 盗賊の赤虎(赤平虎一)は、戦国末期の盗賊団の首領である。
 弟に窮奇郎、熊三、また義妹に紅蜘蛛お蓮がいる。
 赤虎本人は『九戸戦始末記 北斗英雄伝』では、冒頭に登場し、厨川五右衛門にあっさり殺されてしまうのだが、サイドストーリーを構成するための重要な脇役になっている。
 紅蜘蛛お連の人となりを語るために、赤虎は「昔語り」の中に若干登場するだけだが、紅蜘蛛を含め、多くの登場人物の精神的支柱になっている。

 本編とは別に、赤虎や紅蜘蛛を主役とする短編を幾つか書いて来たが、続編の執筆を再開することにしたので、過去の作品を適宜公開するものとした。
 「盗賊の赤虎」シリーズは、版下の基盤まで出来ていたが、資金難のためそこで停止している。
 このHPには手控え原稿をそのまま転載するので、若干の不備があるかもしれぬことを予めお断りしておく。

盗賊の赤虎 人物関係図
盗賊の赤虎 人物関係図

盗賊の赤虎 年代記
盗賊の赤虎 年代記

獄門峠                   (未公表なので触りだけ紹介)

◆著者による紹介文◆
 本作は未公表作品である。長編ということもあり、まだ買い手がついていない。
 元々、『隠し砦の三悪人』のような侍の活劇を「奥州を舞台にして書けないか」というコンセプトで書いたものだ。
 時代は天正の半ば頃(一五八〇年代の初め頃)。舞台は「野猿峠」という架空の場所で、鹿角大湯の東の「どこかにあった」という設定となっている。
 登場人物は、主人公である「盗賊の赤虎」と、利江(『島の女』の鬼女)、二人の子である巖徹、鹿角の大湯四郎左衛門らとなっている。
 悪役は「猿(ましら)の三次」で、後に怖谷で赤虎に復讐を企て、そこで倒されることになる盗賊である。三次は巨大な白猿を自在に操る。
 物語のベースは「大湯四郎左衛門の大猿退治」の伝説に拠っている。

◆あらすじ◆
 時は天正時代(戦国末期)のこと。
 盗賊の赤虎が鹿角を訪れる。赤虎はそこで侍たちに囲まれるが、その侍たちが捕縛しようとしていたのは別人であった。
 その頃、鹿角では盗賊団による人攫い事件が多発しており、赤虎はその一味と間違われたのだ。
 この捕縛を指揮していたのは、鹿倉館主の大湯四郎左衛門である。
 四郎左衛門によると、その人攫い一味は、「猿(ましら)の三次」が率いてい盗賊団である。
 三次はその異名の通り、猿の大群を自在に操る男であった。
 三次が従える猿は一千頭にも及ぶ。
 その猿の中には、身の丈八尺を超える大猿がいた。
 赤虎は四郎左衛門に加勢を求められるが、一度は「俺には関わりが無い話」と断る。
 しかし、赤虎が好むと好まざるに関わらず、次第にこの事件に引きずり込まれていく。

 猿の三次は、野猿峠を本拠としていた。
 赤虎が峠を訪れると、峠の入り口に櫓が組まれていた。
 その櫓の上には人の生首が並べられていた。
 これは「これより先に立ち入れば地獄を見るぞ」という標(しるべ)で、地獄の門を模したものだった。 
 さて、この時より五年前に、赤虎は奴隷として船に乗せられた事があった。
 この時、赤虎はその島に棲む鬼女・利江と夫婦になり、その鬼女を孕(はら)ませた。
 それから年月が経ち、利江は赤虎の近くに来ていた。利江は里と名前を替え、飯屋の下働きとして働いていた。利江は我が子に、実の父親をひと目だけ見せるため、奥州鹿角郡を訪れていたのだった。
 しかし、赤虎が自分の息子の存在を知る前に、息子(厳徹)は三次一味に攫われてしまった。
 そこで赤虎は、息子・厳徹を取り返すべく、大湯四郎左衛門の猿退治に加わり、利江や仲間と共に、「獄門峠」に乗り込んでいくのであった。

『獄門峠』  本編(冒頭部)はこちら(クリック)

「大湯四郎左衛門の大猿退治」は夏祭りの山車の素材として使われますが、由来はそれほど知られていないのではないかと思われます。北奥地方よりのリクエストをお待ちして居ります。

明治橋奇譚                   平成27年盛岡タイムス

◆著者による紹介文◆
 本作は平成27年10月より12月まで盛岡タイムス紙に掲載された短編小説である。
 井ノ川円了&森下林太郎のコンビが再結成され、盛岡の明治橋付近に出没する幽霊の謎を解いていく。
 この作品で、日本版ホームズ&ワトソンが赤虎シリーズから完全に分離し、独自の道を歩き始めた。もちろん、円了博士が解決するのは、殺人事件ではなく幽霊事件となっている。
 本作の登場人物としては、金田一京助や新渡戸仙岳、菊池武夫男爵といった、郷土史に名を刻む著名人が名を連ねる。

◆あらすじ◆
 再び井ノ川円了の許に森下林太郎が現れる。
 「先生、またみちのくに行きましょう」
 盛岡の明治橋の袂に「幽霊が出るので、これを退治して欲しい」という依頼があったのだ。
 円了と林太郎は、双方とも前回の旅で出会った幽霊姉妹のことが忘れられずにいた。
 断ち難い思いを胸に抱き、二人は幽霊退治に旅立つ。

『明治橋奇譚』  → 本編はこちら(クリック)

怖谷奇譚                    平成25年盛岡タイムス

◆著者による紹介文◆
 本作は平成25年10月7日より12月30日まで盛岡タイムス紙にて掲載された短編小説である。
 赤虎シリーズは『九戸戦始末記─』のスピンオフ作品なのであるが、これはさらにそこからスピンオフした作品群となる(「奇譚シリーズ」)。
 作中の「井ノ川円了」のモデルは実在の妖怪博士・井上円了である。時代設定は明治二十七(一八九四)年前後で、井上円了が狐狗狸を解明したほぼ二年後となる。
 「森下林太郎」のモデルは森林太郎(鴎外)。この年齢の頃、鴎外はは陸軍軍医である。

◆あらすじ◆
 時代は明治の半ば頃のことになる。
 「妖怪博士」の異名を持つ井ノ川円了の許に、森下林太郎青年が訪ねて来た。森下は円了に「友人が行方不明になったので、一緒にその地まで探しに行って欲しい」と頼む。
 その地とは、最果ての地・怖谷であり、そこには数々の黄金伝説が残されていた。
 二人は冒険を求め、怖谷に旅立つ。
 二人は谷に向かう途中、うら若き姉妹に会い、男心をくすぐられる。
 怖谷で二人は、谷を守る老婆(柊女)や男(赤虎)と出会う。

『怖谷奇譚』  → 本編はこちら(クリック)

 時代を超え、赤虎は幾度も蘇る。もちろん、続編も控えている。

驟雪 ─盗賊の赤虎が最期を迎える話─       平成23年盛岡タイムス

◆著者による紹介文◆
 『九戸戦始末記 北斗英雄伝』においては、冒頭、弟の仇敵を討つために、盗賊の赤虎が伊勢屋を襲撃する。本作は、その場面を厨川五右衛門ではなく、赤虎の側から眺めたストーリーである。
 この時、赤虎は五十台の初めで、『無情の雨』から五年が経過している。
 技量に勝る赤虎が何故厨川五右衛門に敗れ去ったのか。
 それには、「切っても切れぬ宿縁があった」ことが関わっている。
 ちなみに、結末をハッピーエンドにして、赤虎の戦いに幕を閉じさせようと思っていたのだが、しかし、これは始まりだった。

◆あらすじ◆
 天正十九年の一月。毘沙門党の首領である赤平虎一(赤虎)の許に、末弟の熊三が殺されたという報せが届く。
 赤虎は事の次第を確かめるべく、伊勢屋を訪れるが、手下たちが勝手に厨川五右衛門と戦い始める。
 力量に勝る赤虎は五右衛門を追い詰めるが、五右衛門には忘れようにも忘れられぬ「しるし」が刻まれていた。赤虎は怖谷で自らが背負った業を思い出す。

『驟雪 ─盗賊の赤虎が最期を迎える話─』  → 本編はこちら(クリック)

 新聞掲載時は『雪の降る朝に』としていたが、今回これを改題した。

無情の雨 ─盗賊の赤虎が地獄を訪れる話─        平成23年盛岡タイムス 

◆筆者による紹介文◆
 『九戸戦始末記 北斗英雄伝』では、毘沙門党の棟梁である赤虎(赤平虎一)が、冒頭で殺された弟の熊三の仇敵(かたき)として、厨川五右衛門を襲撃した。
 五右衛門は鉄の棒を自在に振り回す赤虎に苦戦するが、やっとのことでこの難敵を倒した。
 この作品の中では、毘沙門党は悪役で、厨川五右衛門を中核とする五右衛門党を散々に悩ます。
 ところが、北奥の各地の貧しい民たちにとっては、毘沙門党は食い物を分け与えてくれる後援者あり義賊だった。
 とここまで書き進めているうちに、「では、一体、この赤虎という男はどんな人物だったのだろう」という疑問が湧いて来た。
 そんな疑問を出発点とし、スピンオフ作品である「盗賊の赤虎」シリーズが生まれた。

 この『無情の雨』の設定は『峡谷の怪物』のまもなく後で、赤虎が四十台の初め~中頃の時の出来事になる。
 赤虎シリーズの中核にして、筆者が最も気に入っている作品である。

◆あらすじ◆
 陸奥(むつ)道を北上する赤虎は、たまたま逗留した宿で亡者たちに遭遇する。
 赤虎はその地を逃れるが、しかし、周囲一帯には亡者が溢れていた。
 ある村で巫女の柊女と会うが、柊女は「今は地獄の釜の蓋が開いているから、それを閉じに行こう」と誘う。赤虎は一度は断るが、寺泊で死んだ「女子(七海)と会えるかもしれぬ」と聞き、心を変えた。
 目的の地は北の果てにある「怖谷」である。
 赤虎は柊女や山伏、侍女たちと遠征隊を編成し、北に旅立つ

『無情の雨 ─盗賊の赤虎が地獄を訪れる話─』  → 本編はこちら(クリック)

 なお『九戸戦始末記』において、赤虎が登場した時、「何故、鉄の棒を持っていたのか」という理由が本作に描かれている。

島の女 ─盗賊の赤虎が奥州平泉で鬼女と戦う話─      平成24年盛岡タイムス

◆筆者による紹介文◆
 執筆のきっかけは、ある催し物に出席し、高校同期の女史に会ったことだ。
 その人の外見は実年齢の六割くらいに見えた。
 その瞬間、「数百年の間、生き永らえる鬼女」のイメージが完成した。
 そこで、『今昔物語』に「鬼女の島」の話があったことを思い出し、赤虎の冒険譚に重ねることにした。
 冒頭は『ベン・ハー』のガレー船の件に敬意を示したものである。

◆あらすじ◆
 赤虎はふとしたことで捕縛され、船に乗せられる。
 その船が嵐に遭い、遠く流され、ある島に漂着した。
 島には世にも稀な美女ばかりが住んでいたが、その女たちは人を食う鬼女であった。
 赤虎は侍と協力し、その島を脱するが、鬼女たちが追い掛けて来る。
 赤虎は平泉近くの達谷窟で鬼女たちを迎え撃つ。
 
 『島の女─盗賊の赤虎が奥州平泉で鬼女と戦う話─』  → 本編はこちら(クリック)

 『獄門峠』(続編)
 本作には続編がある(『獄門峠』)。長編にて、まだ未公表である。
 盗賊の赤虎が大湯四郎左衛門と手を組み、大猿と戦う。赤虎は鬼女リエの助力を得て、化け物を操る猿の三次らと戦う。

不来方情夜   早坂アンナ            平成28年盛岡タイムス 

◆著者による紹介文◆
 本作は、早坂昇龍作『峡谷の怪物』の後日談となります。
 「早坂アンナ」は、早坂昇龍夫妻の共同ペンネームで、原案とデザインを妻・アンナが、また文章チェックを夫・昇龍が分担するものです。執筆代表者名は「早坂アンナ」となります。
 今回、未公表の作品『不来方城戦記』を書き改め、『不来方情夜』と改題しました。

◆物語のあらすじ◆
 奥州岩手郡(いわてのこおり)日戸(ひのと)郷の侍・日戸佐助は郷里への帰路の途中で、女盗賊の紅蜘蛛の一行を目にする。紅蜘蛛は総勢四騎でどこかに向かうところだった。盗賊を捕縛すべく佐助が密かに後を尾(つ)けると、紅蜘蛛らは新庄にある薄山(後の岩山)の中腹に上った。
 そこには巨大な卵形の物体が落ちており、盗賊たちはそれを見に来たのだった。
 佐助はこの近くの不来方(こずかた)城に支援を乞い、盗賊たちを取り囲んだ。
 しかし、その大卵は空を飛ぶ船(宇宙船)だった。佐助が紅蜘蛛を捕縛しようとしたちょうどその時、大卵の主がその場に戻って来た。
 卵の主は若い女だったが、佐助や盗賊たちの目前で姿を変え、巨大な鬼に変じた。
 この鬼が怖ろしく強い。あっという間に侍三十人が殺された。
 弓や刀では到底この鬼に歯が立たぬ。
そこで、佐助はひとまず紅蜘蛛と手を組み、不来方城で鬼を迎え討つことにした。
 この不来方は、かつて鬼が現れたという伝説を持つ因縁の地だ。
 城内に鉄砲隊を控えさせ、佐助と紅蜘蛛が待ち構えていると、女の姿をした鬼が門扉を叩いた。
 鬼は紅蜘蛛の侍女を殺し、その姿に化けて襲いに来たのだ。
 紅蜘蛛はかつて兄たちと共に、この鬼と戦ったことがある。
 鬼はその時に身内を殺された恨みを忘れてはおらず、紅蜘蛛を追って来たのだ。
鬼はまんまと城の中に入り込み、それから直ちに、人と鬼との血で血を洗う戦いが始まった。
紅蜘蛛は兄である赤平虎一が鬼を倒した時のことを憶えていた。
その記憶を頼りに、紅蜘蛛は鬼の弱点を見つける。
鬼との死闘の中、いつしか佐助と紅蜘蛛は互いに敵味方であったことを忘れ、一致協力して鬼に立ち向かうのだった。

  『不来方情夜』  → 本編はこちら(クリック)

峡谷の怪物 ─盗賊の赤虎が鬼と戦う話─            平成24年盛岡タイムス

◆筆者による紹介文◆
 本作は『今昔物語』をイメージして書いたものだ。
 盗賊の赤虎が海で傷を負い、養生のために寺泊に滞在する。そこで生じた縁により、女児を引き取ることになるが、その女児を連れて北奥に帰る途中、ある峡谷で異世界から来た鬼に遭遇する。赤虎は女児を奪われ、その奪還のために激闘を繰り広げる。
 
 『峡谷の怪物─盗賊の赤虎が鬼と戦う話─』  → 本編はこちら(クリック)

以下、順次追加。
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